新しいものは何もない、でもそこがいい / 探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点
はじめに言っておくと、前作『探偵はBARにいる』にハマった口だ。ハマった勢いで...勢いがなければこんなことはできないが、はじめてもらったボーナスを使って光岡自動車のビュート(中古)を買ってしまったぐらいだ。だが、勢いで行ったことに代償はつきものである。パワーウィンドウじゃない、センターロックじゃない、おまけに乗せた友人・知人には結構な割合で不評…と、ビュートを買ったことを後悔しはじめた頃に『探偵はBARにいる2』を観に行った。
いきつけのショーパブ「トムボーイズ・パーティ」のマサコちゃん(ゴリ)が殺された。マジックコンテスト全国大会で優勝した2日後だった。彼女を応援していた俺こと探偵(大泉洋)は相棒=高田(松田龍平)と共に調査に乗り出す。事件の真相に近づくにつれ、市民から絶大な支持を受ける地元議員橡脇(渡部篤郎)への疑いが色濃くなっていく…というのがおおまかなストーリーだ。
はっきり言って「2」だからこそ魅せる新しい要素というものは皆無だ。前作同様、汗かき恥をかきながら探偵が周りの人々に振り回される様をこれでもかと観せられる。正直、そこが守られているという点で僕は満足だ。たとえ、合間合間に挿入される映画的に意味があるのか疑問に思うシーンがあってもだ。
本作で心揺さぶられた場面といえば、河島弓子(尾野真千子)が「亡き王女のためのパヴァーヌ」を弾きながら、かつての思い出がフラッシュバックするシーン、そしてムーンライダーズの「スカンピン」が流れ、大交差点を背にビルの屋上で煙草を吸う探偵と高田を大ルーズショットで撮ったエンディングだ。これは2つとも三木聡監督作『転々』の引用としか思えないが、それを分かっていてもグッと来てしまう演出で悔しい!でもイイ!という複雑な感情になった。
お約束になりつつあるのか、「車変えろよ!」のやり取りがエンドロールの最中に挿入される。「俺のはまだマシかぁ」なんてことをぼんやり考えながらビュート(中古)に乗って家路についた。帰ってから探偵はBARにいる仕様ビュートなるものが発売されることを知った。ゲエ!おれのビュート(中古)より100倍乗り心地良さそう!本当に探偵はBARにいる仕様かよ!と頭にきた...とだけ最後に記しておく。
